主婦になって驚いたこと。

 たくさんありますが、何を隠そう一番驚いたのは、ジーンズが自然とダメージ加工されること。
 別に毎日一生懸命ひざをついて床をぞうきんがけしたりしているわけではないのに、しばらく経つとひざの部分がすり減って穴があいてくる。
 何もわざわざ中国や東南アジアあたりの人々に、細かい砂の粒を吹きかけてもらってダメージを装う必要もないのです。
 ただ、穴が開くのはもっぱら膝の下あたりで、これはしゃがんだときに少しズボンが持ち上がって、ちょうど立った状態だと膝の下あたりの部分が膝頭にくるからなんです。
 ジーンズに限らずダメージ加工というのは、基本的に新品を使い古したときにそうなるであろう状態を想定して傷をつけたり色褪せさせたりするんだろうけれど、よくオシャレジーンズで、太ももの前側あたりの広い範囲を薄く擦り切れたようにしてあるのって、あれはどういう労働をしたらそうなると想定されているんだろうかと疑問に思う。
 あんな破れ方は、少なくとも日常生活では絶対にしない!
 色々考えたけれども、太ももばかりが擦り切れる仕事は全然思い浮かびません。
 そしてそもそも、ジーンズを正統な破れ方をさせている私としては、ダメージ加工の理不尽な破れ方が許せない!
 そういえば昔、ヴィンテージのオシャレジーンズが高いので、普通のジーンズをヴィンテージっぽく見えるように膝で歩いてみたり道路を転がったり砂場で遊んでみたり(高校生。)したけれど、穴のひとつもあかなかった。
 望むときには開かず、望まざるときに開く。
 ジーンズの穴に人生を投影させてしまいますな。
 

 そういえば、葵のジーンズは真っ先にお尻に穴が開いていた。
 滑り台の滑りすぎ。
 どんだけ滑ってんだ。