ネイティブチェック。

思わぬことからネイティブチェックを任された。要旨のチェックやアンケートの語感の判断を友人から頼まれたことはあるが、論文全部を見るのは初めて。気軽な気持ちで引き受けたが、これが結構難しい…
悩み出すと助詞とか統語的なものとか自分でも分からなくなってくるというのは予想していた通りだったが(中でも一番迷うのは句読点)、どこまで直すのかというのが一番の悩みどころ。ネイティブチェックの基本スタンスが分かっていないのに引き受けてしまった…。日本語として明らかな「間違い」でなければそのままにしておいていいのか、あるいはより自然な日本語が求められているのか、それとも論文として接続詞なども含めてより論理的に見せていく必要があるのか…
一応、今のところは二番目の、できるだけ自然な日本語というところを目指して、でも元原稿は一切消したりせずに私の判断はすべて赤で加えている。不必要な部分は赤のカッコ。でも、それだとやはり一文一文は直せても、ちょっとディスコースレベルで見るとあまりにも同じ単語を指示語などを用いず繰り返して使っているとか、同じことを何度も言いすぎてくどいとか、読みにくいものになってしまっている。そういう部分は一応コメントをつけて修正を促してはいるのだが、内容に関わることでもあるので書き直しをすることもできない。ネイティブチェックって、どこまでするものなのかな?
それから、困っているのはもうひとつあって、赤で修正を入れたのに、全く反映されずに「一部変更しました」と送られてくること。どこをどう変更したのか、また私が修正して送ったところで本人が直さないつもりであるのはどこなのか教えてもらえればそのまま進められるし、せめて本人の修正がまだにせよ、私のコメントや赤字を残しておいてくれればスムーズなのだが、これをお願いしてもなぜか実行してもらえずに、私のチェックは全て消されて無視された原稿だけがじゃんじゃん送られてくる。これにはほとほと参っている。私も大学からお金をもらってやっていることなのだが、これでは規定の20時間は軽くオーバーするだろう。ほとんど知らない人のためにそこまで?あるいはこれも縁あってのことだからと快く引き受けるべき?
私が人にネイティブチェックをお願いするときには、完成した原稿を送ってチェックをしてもらい、それを参考に修正して終わり。もし書き直すとしても、どこをどう変えたから見てほしいという形でそれまでに見てもらっていない部分だけお願いすると思う。
この時期ネイティブチェックを任されている友人は多いが、かなりの割合で私と同じような問題を抱えているようだ。文化差なのか何なのか…ネイティブチェックの依頼書類にもっときちんとした形でどこまでこちらが負担すればよいのか、どういうルールでするのかを明記してくれればお互いに気持ち良くできるだろうに…